第31回北陸の家づくり設計コンペ
テーマ:支える家
なたが広い草原にぽつりと立っているとしたら、どんな気持ちでしょう。ちょっと不安な気分になりませんか。でもそこに一本の樹が立っていたとしたら、樹は心地よい木陰をつくり、草原に腰を下ろすきっかけをつくってくれるでしょう。そんな時、樹は、私たちに居場所と安心を与えてくれる頼りがいのある存在として感じられるはずです。 では、私たちにとって家とはどんな存在でしょう。日差しや雨、風、暑さや寒さなどの自然がもたらす影響から私たちを守ってく れるもの。安心できる居場所。人生の記憶を刻み込む場所。名前や顔と同じように、私たちそれぞれの固有性を保証してくれるもの。家族や地域、社会と私たちをつないでくれるもの、などなど。家には様々な役割があります。 それらを合わせて考えてみると、家は私たちを様々なかたちで支えてくれる存在と言っても良いのではないでしょうか。屋根や床、壁が、私たちの生活や身体を物理的に支えてくれることもあれば、家という存在が、地域や社会の中に生きる私たちの存在を支えてくれることもあるでしょう。家での経験や記憶は、私たちの自己形成を大きく支 えてくれているはずです。 今年のテーマは「支える家」です。皆さんは家に何を支えてもらっているでしょうか。あるいは、家に何を支えてもらいたいでしょう。物理的なことでしょうか、それとも精神的なことでしょうか。支えられるだけでなく、私たちが家や家族、地域や社会を支えることを考えても良いでしょう。支える対象が地球環境にまで広がるかも知れません。どんな「支え」や「支え方」があるか、様々に想像を膨らませてみてください。 「支える」というキーワードを通して「家って何だろう?」ということを改めて考え、家の存在や意味に対する 新しい気づきが生まれることを期待しています。 上記のテーマに加えて、以下の3点にも配慮した提案としてください。
- 北陸の地域特性を活かした住まい
- 心豊かで健康な住まい
- 地域や街の景観・安心・快適への貢献
審査員
| 審査員長 | 竹内 申一(金沢工業大学教授) |
|---|---|
| 審査員 | 西本 雅人(福井大学准教授) 上原 雄史(富山大学教授) 他オダケホーム(株)より2名 |
(敬称略)
審査及び表彰
審査
部門別に行います
- 高校の部(高専1~3年含む)
- 短大・専門学校の部(高専4~5年含む)
- 大学・大学院の部(専攻科含む)
表彰
| 最優秀賞 | 1点(部門を問わず)賞金20万円 | |
|---|---|---|
| オダケホーム賞 | 各1点(部門を問わず)賞金7万円 | |
| 特別賞 | 北日本新聞社賞 北國新聞社賞 福井新聞社賞 |
各1点(部門を問わず)賞金6万円 |
| 優秀賞 | 各部門2点まで 賞金5万円 | |
| 佳作 | 各部門3点まで | |
※高校の部の賞金については、建築科・建築クラブの取り組みとして先生方にも熱心にご指導いただいており、賞金の半額を記念品として学校へ贈呈いたします。
「第31回北陸の家づくり設計コンペ」審査結果
オダケホームが主催する「第31回北陸の家づくり設計コンペ」の審査が2025年9月に行われ、3部門、計11点の入賞作品と9点の佳作が決定しました。今年度の応募総数は103点。たくさんのご応募ありがとうございます。
受賞されました皆様には、本日、午後から10/25(土)の表彰式・プレゼンテーションのご案内を(大学・大学院、短大・専門の皆様)にはメール。(高校の皆様には担当の先生宛、もしくは学校宛)でメールまたは郵送にてお送りします。
また当コンペでは、佳作を受賞された皆様に上位受賞へステップアップするために審査講評を個別で送らせて頂きました。ぜひご確認ください。 10/25(土)表彰式・プレゼンテーション後の交流会では、審査員の先生方に直接作品の講評や審査ポイントなどお聞きできますので、ぜひお声かけください。また受賞者同士の交流の場としてもご活用ください。
10/25(土)の表彰式・プレゼンテーション終了後日から、応募者全員に「第31回北陸の家づくり設計コンペ」の作品集を郵送いたします。各大学・新聞社では受賞作品を展示もいたしますので、下記スケジュールをご覧ください。
◎審査員長の総評、受賞作品の講評は後日、HPでも公開しますので、お楽しみに♪
◎最優秀賞・特別賞受賞者5名のプレゼンはYoutubeでも配信します、Xでは表彰式の様子や受賞者インタビューも配信しますので、フォローお願いします!!
※受賞された皆様へ
本日中に表彰式のご案内メールが届いているかご確認お願いします。届いていない場合はご連絡ください
審査員総評
今回のテーマは「支える家」でした。「支える」というキーワードを選んだのは、家というものの存在や役割を人や家族、地域、環境、歴史との相互関係から考えて欲しいという理由からでしたが、その背景には令和6年能登半島地震を経た今、改めて家やまちが皆さんにとってどのような存在なのかを考えて欲しいという思いがあったのかも知れません。
審査の過程では、「何を支えているのか」「何が支えられているのか」「どのように支えているのか」「支えるということをどのようにとらえているのか」などの視点を中心に各審査員から様々な批評や評価が提示され、活発な議論がなされました。支えるというテーマに対する解釈は様々でしたが、精神的な支えとしてとらえた作品や地域コミュニティの支えとしてとらえた作品、構造的な支えとしてとらえた作品、自然との支え合いをとらえた作品が多く見られたように思います。
コンペの審査においては、提案された空間が魅力的であることはもちろん重要ですが、与えられたテーマに対する独創的な視点や思考も重要です。審査員が様々な角度から評価や批評を与えられる作品や、審査員に深く考えさせるような問いを発している作品がより高い評価を得ることになります。その提案について、いろいろ話したり考えたりしたくなってしまう作品と言い換えても良いでしょう。最優秀賞に選ばれた作品は、「支えるとは何か?」を問いかけたうえで「支え合いが生まれるためにはどのような状況が必要なのか?」について考えを巡らせた提案です。哲学的な思考と詩的な表現が大変魅力的でした。
建築を学んでいく上で、常に「建築とは何か?」「建築に何が可能なのか?」を自分に問いかけ、日々の生活の中で観察と思考を積み重ねてゆくことはとても重要です。そして、コンペは日々の積み重ねの成果を試すのにふさわしい場所と言えます。さらにこのコンペは北陸に限定したコンペですから、自分を育んでくれた地域や風土について再考するきっかけにもなるでしょう。今回受賞した皆さんも受賞を逃した皆さんも、是非チャレンジを続けて欲しいと思います。
審査員長
金沢工業大学教授 竹内 申一
入賞者発表
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最優秀賞
『地平線の家』Horizon House
津戸 新太 福井大学大学院1年
—作品総評—
「支える」あるいは「支え合う」ことは特別なことではなく当たり前なことと捉えるべきであり、そのためには私たち全てが同じ大地に暮らしている共同体であることを再認識する必要があるのではないか?と問いかけている。曖昧な領域が連続しながら広がる地面の設えと、上空に浮かべられながらも視線や気配が立体的に交錯する住居空間によって意図した状況を生み出そうとしている。空間の魅力はもちろんであるが、何より「支える」というテーマに対する哲学的なアプローチと様々な読解を誘う詩的なプレゼンテーションに惹かれた。(竹内)
特別賞
オダケホーム賞
『呼吸する家』-金沢用水によって支えられる暮らし-
鷹野 礼奈 金沢科学技術大学校2年
—作品総評—
「呼吸する家」は、かつての田畑を支えた用水を再解釈し、風と人が行き交う新たな住まいを提案した意欲作。難しい三角形の敷地を活かし、風通しの良い島状の住居が魅力的に構成されている。多様な日常の行為が異なる奥行きで展開される空間構成も巧み。屋根の変化や農家風の外観もこの地の風土に合っている。ただ、水辺の設計にはもう少し工夫の余地があり、水の中に入れるような安全で豊かな場所があれば、建築との一体感がより強まっただろう。今後の発展が期待される提案である。(上原)
北日本新聞社賞
『0.5のよりどころ』
中居 圭太 金沢工業大学3年
新谷 幹 金沢工業大学3年
髙橋 一颯 金沢工業大学3年
—作品総評—
この案は新しいコミュニティのあり方として自宅を開放していくという住み開きに着目した良案である。社会につながりを求めるサードプレイスとは異なる考えの居場所である「0.5のよりどころ」は少し内向きでお裾分けのような空間である。具体的には部屋の周囲の縁側がそれにあたり、部屋が島状に配置された構成がこの提案の良さを引き出している。一方で部屋の用途が曖昧になっている点は住み開きをすることが目的になってしまって、支えるという住み方の追求が不足しているようにも思えた。(西本)
北國新聞社賞
『道草の家』
村田 奈々 金沢工業大学大学院2年
—作品総評—
「道草の家」は、建築と街との関係を大きな断面パースで的確に描き、子どもたちの生命力を象徴的に表現した完成度の高い提案である。沈めるような屋根の操作は造形的にも魅力的で、建築家としての技量が感じられる。一方、傾斜のある金属屋根上での子どもの活動には安全性への配慮が不足しており、屋根と生活空間との関係もやや乏しい。巧みな技術を活かし、生活との接続性を意識した提案へと昇華されれば、より力強い作品となるだろう。(上原)
福井新聞社賞
『離れて住み、寄り添って暮らす家』
田畑 壮志郎 大阪公立大学大学院2年
—作品総評—
あなたは気に入った山村に移り住もうと思うだろうか?村のしきたりはあるか、仕事はできそうか、気候は合いそうか、不安は尽きないものである。そんな不安を解消してくれるかもしれない家がこの作品である。この家は、移住生活の基盤づくりを支えるための家として活用され、移住が決まれば、別の人の家として活用されるという仕組みが実に面白い。常に上位の評価であったが、図面や素材の扱い方のアピールがもう少し欲しかった。(西本)
優秀賞
大学・大学院の部(専攻科含む)
短大・専門学校の部(高専4〜5年含む)
高校の部(高専1~3年を含む)
『集う高台の家』
荒井 鈴羅 富山県立富山工業高等学校2年
柏木 美紅 富山県立富山工業高等学校2年
—作品総評—
高校生らしい感受性で近代建築を捉え直そうとした意欲的な提案。災害を日常に取り込み、支え合う暮らしを描く視点が現代的で新鮮だ。高台と海を重ねた構成は詩的で魅力的であり、ランドマークとしての役割もよく考えられている。住戸の重なりにもう一歩、上下や隣接との空間的つながりがあれば、より完成度の高い案となっただろう。(上原)
『「変わる」暮らし「変わらない」居場所』
瀬山 愛花 富山県立富山工業高等学校3年
中田 琴羽 富山県立富山工業高等学校3年
—作品総評—
不易流行、この作品をみて真っ先に思いついた言葉である。建築を考えていく上でも大切にしたいこの言葉を若くして提案に取り入れていることに驚いた。提案内容としてはスケルトン・インフィルを軸にした学生や留学生のシェアハウスであり、住む人によって部屋の形や間取りを変えることができるというものである。変化するものは赤の空間、変化しないものは青の空間として表現していることも分かりやすい。その仕組み自体は素晴らしいものであるので、その仕組みがどのように町や生活を支えるのかについて深掘りをすると、もっと上位賞を狙えたと思われる。(西本)
佳作
🔷一次審査通過者発表
A3、A19、A21、A23、A25、A26、A27、A28、A31、A33、A36、A47、A53、 A54、A63、A64、A70、A72、A83、A96、B2、B5、B8、B13,B14、B15、B16、B17、B20、B23、B26、B27、B28、B29、B35、B36、B39、B41、B45、B47、B49、C1、C4、C6、C8、C9、C11、C12、C13、C14
表彰式・プレゼンテーション
| 日時 | 2025年10月25日(土) 最優秀賞、特別賞を受賞した方は当日プレゼンテーションをして頂きます |
|---|---|
| 会場 | 富山県民小劇場オルビス(マリエとやま7F) 住所:富山市桜町1丁目1番61号(JR富山駅前横) TEL 076-445-4531 |


このコンペでは、住宅設計を目指す学生さん達の成長の機会として、入賞者本人によるプレゼンテーションや審査員、応募者も参加してのディスカッションを行っています。互いにコンセプト、工夫やこだわりを存分に発表し、これからの北陸の家づくりについて、語り一緒に考える良い機会となることを期待しています。
このコンペが、設計者を目指す学生にとっての登竜門となり、又、地域の皆様と共に、北陸が培った住文化とこれからの家づくりについて考える契機になることを願っています。
表彰式・プレゼンテーション後には、に審査員の先生方、学生さん同士の意見交換会も実施しています。作品のことや先生方、学生さん同士の交流の場となっております。
作品展開催
◎表彰式・プレゼンテーションの後、最優秀賞、特別賞、優秀賞の作品展示を各会場で以下の日程にて巡回いたします。
| 福井工業大学 | 福井市学園3丁目6-1 | 10/29(水)~11/6(木) |
|---|---|---|
| 福井大学 | 福井市文京3丁目9-1 | 11/6(木)~11/14(金) |
| 金沢工業大学 | 野々市市扇が丘7-1 | 11/20(木)~11/27(木) |
| 金沢科学技術大学校 | 金沢市三社町11-16 | 12/4(木)~12/11(木) |
| 富山大学 高岡キャンパス | 高岡市二上町180番地 | 12/11(木)~12/18(木) |
| 日本海ガス プレーゴ(水・木定休) | 富山市黒崎405-6 | 1/6(火)~1/13(火) |
| 富山新聞社 高岡支社(日・祝定休) | 高岡市広小路1-15 | 1/19(月)~1/25(日) |
| 北日本新聞社カルチャーパーク高岡(まなぶん) | 高岡市御旅屋町101(御旅屋セリオ6階) | 1/27(火)~2/2(月) |
※その他、オダケホーム常設展示場にて作品展示予定。




