第23回北陸の家づくり設計コンペ
「第23回北陸の家づくり設計コンペ」募集概要
テーマ:植物を楽しむ家
春夏秋冬、四季の変化に恵まれた日本。人々はその変化と季節感を楽しみながら生活してきました。そして、これらを彩る重要な要素に樹木や草花があります。例えば住居においては、居間や座敷から眺める庭の演出、玄関前や塀越しに見える木々、縁側・中庭・窓辺に並んだ植木鉢、さらに花瓶に活けた花など、植物は人間の心を落ち着かせ、和ませるものです。また、これらを育て世話をすることも家族の楽しみの一つです。今回のテーマは、樹木や草花を庭や住居まわりに多種多様に植えることで、植物に囲まれた日々を過ごすことを夢見る家族のための家です。
植物と居住空間の関係は建築の歴史を通して様々な事例が世界中にあります。まずは面白い事例を調べることからスタートしてみてください。それらをヒントに、北陸の気象条件や家づくりにふさわしいか、植物を観賞するだけでなく育てる楽しさはあるか、四季を通して楽しむことができないかなど、現実的にイメージを膨らませてください。家の一部に温室やパーゴラを設けたり、植木鉢が並ぶ棚をデザインしたり、壁面を緑化することも考えられます。また、家の構成要素である玄関・縁側・軒下・土間・寝室・台所・浴室・出窓などと関連付けて考えると面白い案に発展するかもしれません。
アイディアを競い合うコンペですから、植物を観賞する一般的な居間と庭の関係を描くだけでは、多数の応募案の中に埋没してしまいます。入選を目指すには、テーマに対して深く考察されていること、提案のポイントが明快で魅力的であること、優れたプレゼンテーションであることが重要です。
また、住宅として当然必要な下記の項目に対する提案も必ず考慮に入れてください。
- 北陸の地域特性を活かした住まい
- 心豊かで健康な住まい
- 地域や街の景観・安心・快適への貢献
審査員
審査員長 | 蜂谷 俊雄(金沢工業大学教授) |
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審査員 | 松下 稔(福井大学名誉教授 兼 武庫川女子大学教授) 濱田 修(有限会社 濱田修建築研究所) 他オダケホーム(株)より2名 |
(敬称略)
審査及び表彰
審査
部門別に行います
- 高校の部(高専1~3年含む)
- 短大・専門学校の部(高専4~5年含む)
- 大学・大学院の部(専攻科含む)
表彰
最優秀賞 | 1点(部門を問わず) | 賞金10万円 | |
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特別賞 | たんぽぽ賞(オダケホーム賞) | 各1点(部門を問わず) | 賞金5万円 |
北日本新聞社賞 | |||
北國新聞社賞 | |||
福井新聞社賞 | |||
優秀賞 | 各部門2点まで | 賞金5万円 |
※高校の部においては、先生方の熱心なご指導に感謝し、表彰金の半分を学校へ記念品として贈呈いたします。
「第23回北陸の家づくり設計コンペ」結果
オダケホームが主催する「第23回北陸の家づくり設計コンペ」の審査が平成29年9月に行われ、3部門、計10点の入賞作品と9点の佳作が決定しました。今年度の応募総数は104点。
表彰式・作品発表会
日時 | 2017年10月28日(土) |
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会場 | 富山県民小劇場オルビス(マリエとやま7F) TEL076-445-4531 住所:富山市桜町1丁目1番61号(JR富山駅前横) |
このコンペでは、建築を学ぶ学生が自分の作品を発表したり、テーマについて論議する機会が少ないことから、入賞者本人によるプレゼンテーションや、応募者、また当社設計士も参加してのディスカッションを行っています。互いにコンセプト、工夫やこだわりを存分に発表し、これからの北陸の家づくりについて、語り一緒に考える良い機会となることを期待しています。
このコンペが、設計者を目指す学生にとっての登竜門となり、又、地域の皆様と共に、北陸が培った住文化とこれからの家づくりについて考える契機になることを願っています。
作品展開催
金沢野々市展示場 -彩雅- | 野々市市柳町土地区画整理事業地区内12街区13 (金沢ハウジングセンター野々市展示場内) |
~2/1(木) |
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富山展示場 -奏和- | 富山市西荒屋275 (ジュートピア富山内) | 2/4(日)~2/15(木) |
魚津展示場 -咲楽- | 魚津市住吉567-1 (にいかわハウジングプラザ内) |
2/18(日)~3/4(日) |
羽咋展示場 -陽- | 羽咋市松ヶ下町砂田6-5(羽咋支店併設) | 3/12(月)~3/21(水) |
審査員総評
古来日本人は春夏秋冬、四季の変化に応じた草花や樹木を育て、愛でてきました。居住空間においても、敷地の大小にかかわらず緑豊かな居住環境を求めて様々な工夫をしてきました。その意味において今回の「植物を楽しむ家」というテーマは、誰もがすぐに理解できるものであり、すぐにイメージが湧いてくる提案しやすい内容であったと思います。応募された皆さんは、それぞれに「空間・人間・植物」の理想的な関係を夢想しながら、楽しいエスキースの時間が持てたのではないでしょうか。しかしコンペですから、「植物に囲まれた楽しいシーンを描いてみました」というだけでは入賞することはできません。空間デザインのプロを志す皆さんは、この身近なイメージを出発点とし、どのように「空間・人間・植物」の関係を深く考察しイメージを発展させられるか、面白い論理が展開できないか、誰よりも魅力的なシーンを描き出せないか、等々、自身の能力やイマジネーションの限界に挑戦されたものと思います。
次に、このテーマに回答するために皆さんが考え出した努力目標について、選外になった作品も含めて特徴別に紹介します。①住宅の周囲に緑豊かな庭を描く。②中庭と外周の庭を対比的に見せる。③季節ごとに咲く草花を調べて植える。④家のある部分を特化して植物で演出する。⑤シンボルツリーを設定してその周りに居住空間を展開する。⑥家の中を巡りながら様々な草花の庭を楽しむ。⑦外部空間や庭を立体的に描いて魅力を出す。⑧植物で演出された庭の一部を屋内化する。⑨縁側スペースを立体的に配置する。⑩外部空間・土間空間の特徴を植物で演出する。⑪建築的フィルターを通して庭を見せる。⑫断面計画の特徴を植物と絡めて一体的に描く。⑬植物と共に成長する居住環境を時間軸で描く。⑭以上の発想のいくつかのアイディアを複合化して描く。徐々に努力目標がハイレベルになっていますが、入賞作品は⑥~⑭の提案を前提とし、それをさらに特徴づけ、巧みな表現手法で描き出していたと総括できます。具体的には掲載された図面と審査員講評を見てください。今回残念ながら入賞できなかった皆さんは、ここに掲載された作品とご自身の作品を見比べてください。その違いがわかった時が最も勉強になる瞬間であり、次に向けた新たな努力目標が生まれます。
審査は1次と2次の2段階で行いました。2次審査では各作品に対する意見交換を繰り返し、徐々に数を絞り込み、最終的に入賞10作品と、佳作9作品を選びました。評価のポイントは、テーマに対する考察力、コンペ案としての面白さ・斬新さ・現実性、プレゼンテーション能力でした。来年も異なるテーマで第24回のコンペが開催されます。次回の応募に向けて、建築に対する見識を深め、イマジネーションを豊かにし、表現力を高めてください。
審査員長 金沢工業大学教授 蜂谷 俊雄
審査結果
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最優秀賞
特別賞
優秀賞
大学・大学院の部(高専4~5年を含む)
短大・専門学校の部(高専4〜5年含む)
高校の部(高専1~3年を含む)
佳作
遠藤 立城(大阪市立大学3年)・海本 芳希・中野 隆太・中林 顕斗(大阪市立大学4年)(4名共同)
伊藤 祥希(福井大学大学院1年)
中川 実祐(福井工業大学4年)
干野 友隆(富山クリエイティブ専門学校2年)
原田 凌輔(職藝学院2年)
村山 遼・前島 航平(職藝学院2年)(2名共同)
宮川 洸士朗(小松工業高等学校3年)
木村 菜々(金沢市立工業高等学校3年)
岩崎 つばさ(金沢市立工業高等学校3年)
(敬称略)