第19回北陸の家づくり設計コンペ
「第19回北陸の家づくり設計コンペ」募集概要
テーマ:趣味を楽しむ家
人間には何らかの趣味があります。仕事や学業をフォーマルな活動とすれば趣味の時間は人間の自由な活動であり、生きる活力を生み出す貴重な時間です。スポーツや釣りなどのアウトドアで行うものもあれば、絵や書道などの家の中で行うものもあります。今回のテーマは、趣味を家との関係で考え、趣味から発想した理想的な家とはどのようなものであるかを描き出すことです。食事をする、寝る、風呂に入る、寛(くつろ)ぐ、勉強するなどの行為を機能的発想で考えた家とはまったく異なる家のシーンが生まれるのではないでしょうか。
例えば、1. 家族全員が共通の趣味をもち、みんなで共通の趣味を楽しむ家、2. 家族全員が異なる趣味をもち、それぞれの趣味を異なる場所で楽しむ家、3. 家族の中で複数の異なる趣味があり、同一空間あるいは異なる場所で趣味を楽しむ家など、様々な状況が考えられます。まず、家族の趣味の状況をわかりやすく示してください。それを前提に、趣味から発想した理想的な家の姿を、図面やスケッチで描いてください。空間演出や活動の場としての魅力のみならず、機能性や環境面にも配慮された提案を期待しています。また、住宅として当然必要な下記の項目に対する提案も付け加えてください。
- 北陸の地域特性を活かした住まい
- 心豊かで、健康な住まい
- 地域や街の、安心・安全・快適への貢献
審査員
審査員長 | 蜂谷 俊雄(金沢工業大学教授) |
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審査員 | 高嶋 猛(福井大学大学院工学研究科講師) 濱田 修 (有限会社濱田修建築研究所) 他オダケホーム(株)より2名 |
(敬称略)
審査及び表彰
審査
部門別に行います
- 高校の部(高専1~3年含む)
- 短大・専門学校の部(高専4~5年含む)
- 大学・大学院の部(専攻科含む)
表彰
最優秀賞 | 1点(部門を問わず) | 賞金10万円 | |
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特別賞 | たんぽぽ賞(オダケホーム賞) | 各1点(部門を問わず) | 賞金5万円 |
北日本新聞社賞 | |||
北國新聞社賞 | |||
福井新聞社賞 | |||
優秀賞 | 各部門2点まで | 賞金5万円 |
※高校の部については、建築科、建築クラブの取り組みとして先生方にも熱心にご指導頂いており、賞金の半額を記念品として学校へ贈呈します。
「第19回北陸の家づくり設計コンペ」結果
オダケホームが主催する「第19回北陸の家づくり設計コンペ」の審査が平成25年9月に行われ、3部門、計11点の入賞作品が決定しました。今年度の応募総数は194点。
表彰式・作品発表会
日時 | 10月26日(土)15:00~17:30 |
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会場 | 富山県民小劇場オルビス(マリエとやま7F) TEL076-445-4531 住所:富山市桜町1丁目1番61号(JR富山駅前横) |
このコンペでは、建築を学ぶ学生が自分の作品を発表したり、テーマについて論議する機会が少ないことから、入賞者本人によるプレゼンテーションや、応募者、また当社設計士も参加してのディスカッションを行っています。互いにコンセプト、工夫やこだわりを存分に発表し、これからの北陸の家づくりについて、語り一緒に考える良い機会となることを期待しています。
このコンペが、設計者を目指す学生にとっての登竜門となり、又、地域の皆様と共に、北陸が培った住文化とこれからの家づくりについて考える契機になることを願っています。
作品展開催
富山新聞文化センター高岡スタジオ | 10/31(木)~11/4(月) | 高岡市中川 |
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富山大学 高岡キャンパス | 11/6(水)~11/11(月) | 高岡市二上町 |
金沢工業大学 | 11/14(木)~11/20(水) | 野々市市扇が丘 |
福井大学 | 11/25(月)~11/29(金) | 福井市文京 |
福井工業大学 | 12/3(火)~12/9(月) | 福井市学園 |
日本海ガスショールーム プレーゴ | 12/13(金)~12/19(木) | 富山市黒崎 |
北日本新聞高岡支社 | 1/10(金)~1/16(木) | 高岡市あわら町 |
オダケホーム常設展示場にて作品展示 | ||
金沢すまいの情報館 | 1/19(日)~1/26(日) | |
金沢南展示場 | 1/28(火)~2/4(火) | |
富山展示場 | 2/9(日) ~2/16(日) | |
高岡展示場 | 2/20(木)~2/25(火) | |
羽咋展示場 | 3/1(土) ~3/7(金) | |
魚津展示場 | 3/9(日) ~3/16(日) |
総評
今回のテーマである「趣味を楽しむ家」は、人間の生きる活力を生み出す貴重な活動である趣味に注目し、それから発想した理想的な家の姿を描き出すものでした。夢の膨らむ身近なテーマでもあり、応募総数は、本コンペの応募資格が北陸関係者に限定されて以降最大の194作品になり、審査員一同たいへんうれしく思いました。
提案内容を概観すると、わかりやすいテーマであったこともあり、コンセプチュアルな案は少なく、現実的な提案がほとんどでした。本コンペの特徴は「同一テーマに対し高校・専門学校・大学の3段階に分けて審査を行う」ことですが、学習を深めるに伴い、発想や提案のポイント、イメージを建築空間に翻訳する能力が徐々に高まっていく様子がよくわかりました。初期段階の作品には、一般的な家の居間・個室・庭で趣味を楽しんでいるシーンを描いている案が多くありますが、徐々に空間体験や建築的知識が豊富になると、趣味を楽しむシーンが家全体に発展し、さらに街との関係にも着目するようになっています。このような一般的傾向はありますが、今回は学習の初期段階である高校生部門において優れた作品が数点あり、その中でも高校2年生の作品が最優秀賞に選ばれました。提案内容やプレゼンテクニックにおいて大学生を越えるものであり、大学の建築教育に携わる者として、指導にあたられた高校の先生のご努力に敬意を表します。
惜しくも入選できなかった人には入選作品との違いをよく見ていただきたいと思います。何が物足りなかったかが理解できた時に多くのことが学べ、次への努力目標が生まれます。また、入選作品が最良の提案であったと安心することもできません。建築のデザインには百点の解答はないと言われるように、その時々の時代性を反映し、より多くの人に感銘を与える作品が高い評価を得ますが、見る人(審査する人)のキャリアによっても評価は多少異なります。今回のテーマの場合、㈰趣味と家の関係をどのように位置づけ、(1)趣味をキーワードに新しい家の在り方を発見し、(2)その活動シーンを居住空間とからめて魅力あるものに発展させ、(3)そのイメージを家全体の建築形態や空間構成の特徴に反映させ、(4)その家の魅力が周囲にも溢れ出るように工夫し、(5)それを魅力ある図面表現で提示できている作品がないかと思いながら審査をしました。各応募者がこの(1)~(5)を参考に、どのレベルにまで達していたかを自己分析してください。そして、次の第20回のテーマに挑戦してみてください。
審査員長 金沢工業大学教授 蜂谷 俊雄
審査結果
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最優秀賞(全体の中で1点)
特別賞
優秀賞
大学・大学院の部(高専4~5年を含む)
短大・専門の部
高校の部(高専1~3年を含む)
(敬称略)